最初32オートを調べようと思ってネットを見てみましたがあまり情報が無い・・・
で、分かったのはこれって正式名称じゃないんだってこと。
(今更かよって 笑)
Colt Model 1903 Pocket Hammerless
これが正式な名称です。
ではm1903を見てみましょう!

エアガン歴20年以上。
モデルガンのブルーイングなどもしている
けんじが解説します!
概要
- 正式名称: Colt Model 1903 Pocket Hammerless
- 設計者: ジョン・ブローニング(John Moses Browning)
- 製造会社: コルト社(Colt’s Manufacturing Company)
- 製造年: 1903年〜1945年
- 生産数: 約570,000丁
- 用途: 軍用、警察用、民間護身用
ジョン・ブローニングが設計し、コルト社が製造した自動拳銃は
小型軽量で信頼性が高く、第二次世界大戦中は高級将校や航空搭乗員の護身用として使用された。
また、隠し持ちやすい設計から諜報員や工作員にも利用され
多くの軍や警察で採用された。アメリカ軍では1970年代まで将校用として使われ
1972年までは将官向け特別モデルも製造されていた。
基本仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
口径 | .32 ACP(7.65×17mm) |
装弾数 | 8発(マガジン内蔵) |
全長 | 約171 mm |
銃身長(バレル) | 約102 mm |
重量 | 約620 g(弾なし) |
作動方式 | ショートリコイル・ブローバック方式 |
安全機構 | グリップセーフティ、マニュアルセーフティ |
ハンマー | 内蔵(見えない) |
特徴
✅ “Hammerless” の意味
- 「ハンマーがない」とされているが、**内部に隠れている(インターナルハンマー)**という意味。
- 服に引っかからず携帯しやすい、護身用や要人警護に最適な設計。
✅ 操作性とデザイン
- シンプルな操作、エレガントな外観。
- グリップセーフティと手動セーフティの2重安全構造。
- 滑らかなラインとコンパクトなフォルムが人気。
✅ 精度と信頼性
- .32 ACPという低反動の弾薬により、扱いやすく命中精度も高い。
- ブローニング設計らしい確実な作動性。
ここで補足。
この銃にはローディングインジケータがなく
薬室に弾があることに気づかず誤射する事故が多発したため
製造番号468096以降の後期モデルにはマガジンセフティが追加され
弾倉を抜いていれば発射できないよう改良された。
つまりセーフティが3つになったわけです。
コルトM1903は1903年から1945年に約57万丁が製造され
仕様の違いによりType I〜Vの5種類に分類される。
Type II(製造番号72000〜105050)以降では銃身長が4インチから3.75インチに
全長も7インチから6.75インチに短縮された。
仕上げはブルーフィニッシュが標準だが、ニッケルメッキ仕様も存在する。
Type IVを基にした軍用モデルにはパーカーライジング処理が施されたものもあり
(製造番号554447〜572214)、さらにスライド操作を補助するフック付きの試作モデルもあるが
量産には至っていない。
軍・政府での採用
採用機関 | 内容 |
---|---|
アメリカ陸軍 | 将校用拳銃として採用(特に将校が自費で購入) |
OSS(CIA前身) | 密偵用として支給、サプレッサー装着モデルも存在 |
警察・民間 | 多くの警察官や一般市民が護身用として使用 |
モデルバリエーション
◾ M1903 Type I〜Type V
- Type I(1903〜1908): 初期型。セーフティ位置が異なる。
- Type II: 小変更。
- Type III(1910年以降): エジェクターが改良され、広く普及。
- Type IV〜V: 最終期の改良型。マガジンセーフティ追加など。
歴史的背景と文化的影響
- フランクリン・ルーズベルト大統領が愛用。
- 高官やスパイ、軍将校など「身分の高い携帯用拳銃」として人気。
- アール・デコ様式の時代にマッチしたスタイリッシュな外観。
CAW 32auto
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動画内であるキックバネはこれを使っています


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コンパクトなたたずまい。
M1910と似たスタイルを醸し出す
(設計者は同じジョンブローニング)


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番号が「77302」なのでType II以降のモデルとなります。

↑
さてマズルなのですがコルト1911と同じようなマズルブッシングになっていますが
これは初期型と同じ構造となっています。
では初期型、中期型のロット番号はどこで区切られるのだろうかと・・・
で調べてみました。
Colt M1903 Pocket Hammerless タイプ別分類(.32ACP)
タイプ | 製造年 | シリアル番号範囲 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Type I | 1903〜1908 | #1 ~ 約71,999 | ・マガジンセーフティなし ・グリップセーフティ小 ・セーフティレバーが後方に位置 |
Type II | 1908〜1910 | #72,000 ~ 約105,000 | ・セーフティレバーの形状・位置変更 ・グリップセーフティ改良 |
Type III | 1910〜1926 | #105,001 ~ 約468,000 | ・エジェクター変更 ・全体的な改良と信頼性向上 ・マガジンセーフティはまだ非搭載 |
Type IV | 1926〜1944 | #468,001 ~ 約554,000 | ・マガジンセーフティ追加 ・構造完成形 |
Type V | 1945(少数のみ) | #554,001 ~ 約572,215 | ・商用流通せず(政府納入用) ・仕様はType IVに近いが、最終型 |
上記を踏まえたうえで
初期型~とかに良い方を替えると以下のようになります。
ざっくりした分類の目安(初期型・中期型・後期型)
区分 | シリアル番号範囲 | 相当タイプ | 製造年目安 |
---|---|---|---|
初期型 | #1 ~ 約71,999 | Type I | 1903〜1908年 |
中期型 | #72,000 ~ 約468,000 | Type II~III | 1908〜1926年 |
後期型 | #468,001 ~ 最終 (#572,215) | Type IV〜V | 1926〜1945年 |
話は戻りますがマズルブッシングがある→初期型
でもロット番号からすると中期型
ここからは勝手な妄想になりますが
物づくりで良くあることですが
バージョン違いを作る間にパーツが混在している場合があると思います。
前期型のスライドASSYに改良された中期型のフレームASSYを組み合わせるなど
あったのかもしれません。
いや、あったということで脳内を落ち着かせよう 笑

↑
スッキリとしたスライド終わり
ここの見た目が好きなんですよね。
ブルーイングしたくなってきました 笑

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ダブルカラムなど無かった時代。
スッキリとしたフォルム。
このおかげで細身のグリップになっているので
携帯に便利だったんでしょうね。
ちょっとした不具合の話

↑
ここからはYOUTUBEで解説した変更点を少しだけ紹介
まずハンマーコックがとても硬く大変だったので
軽くできないかとシアを少しだけ削りました。
エッジを出す程度に削っただけなので削り過ぎに注意です。
あとハンマーの側面が少し擦れているようだったので上の方だけ研磨してあります。
(動画内でハンマー見えますがシルバーになっている所が研磨した所です)

↑
トリガーSPが純正の物がへたっていたので(変形していた)改めて新しいものを作りました。
キックバネ0.6×20×90度と言うのを買ってきて曲げてます。
画像の右側が純正の形状を模して作った物です。
この形状だとトリガーバーを戻すには問題ないのですが
トリガーを引いたときにやや不安定で
トリガーバーを下に動かしてしまう時があります。
指でトリガーを下に動くとシアを押さないでトリガーが空振りをします。
その為に画像左側のSPを新たに作成しました。
この形状にしてから不具合は発生していません。→だったのですが続編があります・・・ 笑

動きが不安定だったのでABSプラバンを用いて根本的解決をしました
↓
行ったのは
・フレームにABS版を付ける
・シアを削る
・トリガーバーを削る
・ハンマーストラットを削る
この4点です。
最初の予想ではフレームに1mm厚の板を付ければそのまま解決するはずだったのですが
トリガーバーの上下の動きをタイトにしたためシアの掛かりもタイトになりました。
というかシアがトリガーバーに干渉しまくって動きません。
なのでシアを削ります。(結構削ります)
これで大丈夫だと思ったら今度はトリガーを引き切った後
ハンマーストラットがトリガーバーに当たってトリガーが戻らなくなる始末に・・・
と言うことでハンマーストラットとトリガーバーを削って
動きを改善させました。
文章で書くと難しそうですが
実際はヤスリでただ削るだけなので簡単です。
動画を見ていただければ詳細が分かりますのでご覧ください。
↓使ったABS板 1mm厚



まとめ
いかがだったでしょうか?
CAWからは初期型、中期型と書いたモデルガンも出ています。
そちらを買えば今回のように「これ何型?どういうこと?」など
考えなくても良かったかもしれません 笑
もしかしたら原型であるMGCさんそのままの形状なのかもしれませんね。
機会があればMGCさんの個体も手に入れれば答えが出るかも。
ともかくスッキリとしたフォルムで良いですね。
是非お近くのショップで見かけた際は手に取ってみてください。
では!
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