お薬の販売は「薬剤師」と「登録販売者」が行います。
薬剤師は聞いたことがあるかもしれませんが
登録販売者を知らない人は多いかもしれません。
ここでは
薬剤師と登録販売者の違いを順に追って解説したいと思います。
結論ですが
どちらも100%必ずいないといけない存在です。

ドラッグストア勤務25年
店長として20年勤めた登録販売者の
けんじがお伝えします。
資格の取り方
薬剤師
大学の薬学部で6年間の薬剤師教育課程を修了した人が資格条件です。
なので大学進学の際に薬剤師になることを決めておかないといけません。
試験は1年に1回です。

薬学部6年間はなかなかハードルが高いです。
仕事をし始めてから薬剤師になるのは少々困難です。
登録販売者
学問不問、年齢不問で誰でも受けられる資格です。
試験は1年に1回です。
試験後従事登録と言うのを済ませ一定の期間店舗での実務を終了すると
管理者要件を満たし1人で医薬品を販売することが出来るようになります。
資格を取るための費用
薬剤師
国立大学で350万円前後、私立で1200万円前後します。
(大学により変化します)
試験受講料は6800円、合格後の発行手数料は3万円かかります。
他にも健康診断書などもありますので約4万円前後かかります。

なんとかして国立大学に行きたいですね!
私が知っている薬剤師の方は殆ど私立で奨学金をもらってました。
返済期間が結構長いんですよね。
登録販売者
受験資格は学歴不問、実務経験などもありませんので独学でもチャレンジできます。
その場合は参考書を購入すればその分だけ費用としてかかります。
実際は通信教育などを受けて勉強した方が効率が良く合格しやすいと思います。
その場合は教材にもよりますが費用は4万円前後です。
試験受講料は各都道府県で異なり13000円~18000円前後です。
他にも健康診断書が必要になりますので約2万円前後かかります。

ノウハウが詰まった通信教育が早く合格するのは当然かもしれませんね。
試験の合格率
薬剤師
直近実績で約70%前後です。
かなり高い合格率だと思われがちですが6年間の勉強で70%の合格率は
高いハードルだと思います。
(もちろん6年間試験勉強しているわけではありません)

新入社員で入ってきた薬学生が試験不合格で薬剤師になれず一般社員として
働いている人は毎年いました。
そのような人は翌年試験を受け薬剤師を目指します。
登録販売者
直近実績で40%前後です。
これはかなり高い合格率だと思われます。
6か月前後で試験にチャレンジする人も含まれますから
(2か月でチャレンジする人もいます)
実際は1年を目安にしっかりと勉強して試験に臨んだ方が賢明です。

仕事しながら勉強だと約1年ほどの勉強が必要だと思います。
もちろん個人差がかなりありますので仕事しながら3か月で合格する方もいます。
扱える薬の違い
薬剤師
扱える医薬品は医療用医薬品(処方箋薬)、動物用医薬品、要指導医薬品、第一類医薬品 、 指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品 です。
簡単に言うと病院で出されるお薬やドラッグストアで買えるお薬全部が扱えます。

白衣を着て調剤薬局の奥で薬を用意している人が薬剤師の方です。
登録販売者
登録販売者が販売できるのは
指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の3種類。
主にドラッグストアなどで扱っているお薬です。

病院のお薬と市販薬の一部が扱えないという事です。
仕事の違い
薬剤師
選べる職種は多くあります。
- 病院
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- 製薬会社研究員
- MR(製薬会社のセールス的存在)
- 公務員(保健所)
どれも薬剤師でないと務まらない仕事です。
様々な仕事が選べるのは薬剤師の魅力でもあります。

薬のスペシャリストとして様々な仕事が出来ます。
その分人体へに影響が強く出る、責任が高い仕事が多いです。
登録販売者
あまり選べるものは無いかもしれませんが必ず必要な存在になります。
全て市販薬が置いてある業種
- ドラッグストア
- ホームセンター
- 家電量販店
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- 調剤薬局
調剤薬局ではレセプトと言われるパソコンを使った業務も
行いながら市販薬の販売になりますので医療秘書の仕事もすると思ってください。
業種はあまり選べませんがその分ドラッグストア業界の売上は上がっているので
就職にはあまり困らないかもしれません。
ドラッグストア全体で8兆円規模です。
比較対象としてはコンビニが11兆円です。


登録販売者の魅力は現状に対してワンランクアップ出来ることです。
誰もがチャンスがあります。
給料の違い
薬剤師
正社員だと病院勤務とドラッグストア勤務だと差があります。
病院勤務
年収で400~500万前後です
比較的ドラッグストアに比べやや少ない年収になります。
ドラッグストア
年収では600万前後
ドラッグストアは調剤も一般販売業もありますがどちらも
同じ給料体系になっている所が多いと思われます。
年収は平均なので新入社員から薬局長、店長と幅広いですが役職に就けば
600万円後半が実際の数字と思われます(残業代含む)

製薬会社の研究職などに就けば1000万円ほどの年収も見込めます。
(新卒初任給の話ではありません)
登録販売者
正社員で業種別にみると大体ですが
ドラッグストア
18万から22万円
家電量販店
19万~23万円
店長などになるとまた違ってきます。
年収500~600万(残業代含む)ぐらいです。
パート・アルバイトで時給は資格手当で30円~100円プラスです。

登録販売者の資格だけで年収を大きく上げることはできません。
個人のスキルが大切で店長になれば年収は大きく変わります。
登録販売者についてはこちらでも詳しく解説しています。
まとめ
冒頭に書きましたが
薬剤師、登録販売者は必ず居ないといけない存在です。
居なければ法律違反になり処罰が下されます。
つまりそれほど重要な資格です。
薬剤師になる方は受験の時から考えなければいけないですが
登録販売者はどなたでもなれます。
お薬に興味があれば登録販売者の資格をオススメします。
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