先日組み立てた
マルシン ベレッタ M84 組立キットを
ブルーイングしました。
結果は大成功とは言えませんが(納得したことはない)
とても味わい深い色になったと思います。
この記事を読んで興味を持った方は是非チャレンジしてみてください!
エアガン歴20年以上。
モデルガンのブルーイングなどもしている
けんじが解説します!
ブルーイングとは
ブルーイングとは
「鉄鋼製品を、酸化媒体中で、その研磨した表面が青色の酸化物の薄い、連続的な、密着性の高い膜で覆われるような温度で処理する操作。」
とありますがここではモデルガンに使用するブルーイングを紹介します。
上記の説明にあるような酸化物で金属表面を酸化させ
塗膜を形成することです。
塗装とは違い、物質そのものを酸化、変化させて色を出すことになります。
青黒い発色をすることからブルーイングと言われます。
ブルーイングできる素材
ブルーイングは亜鉛素材(その他金属)を青黒く染めることです。
製品によって違いがありますがここでは多く使われている
バーチウッド アルミニウムブラック の話をしていきます。
名前の通りアルミニウムに反応します。
他には亜鉛、鉄などがあります。
ステンレス、チタンには反応しません。
真鍮はバーチウッドの真鍮用がありますのでそちらの方が良いです。
実際にアルミニウムを染めてみると綺麗に染まる物と染まらないものがあります。
これはアルミニウム素材差によるものなのか分かりませんが
全体的に塗膜が弱いです。
モデルガンの話に戻しますとABS、シルバーメッキには反応しません。
使えるのはヘビーウェイト(以下HW)樹脂のみです。
HWはABS樹脂に亜鉛の粉を混ぜている物です。
なのでブルーイングが出来ます。
製品によってはHWの上に塗装をしている物がありますので
ブルーイングする際は塗膜をはがさないとダメです。
※ABSはブルーイングできませんが亜鉛塗料を吹き付けることで
ブルーイングをすることが出来ます。
使った塗料は「ブルーイング風景」で詳しく書いていきます。
ブルーイング準備、施工をする際の用具
人によって違うかもしれませんが紹介するのは最低限必要なものだと思います。
- 紙やすり番手240、400、800、(1000 使うかは個人差あり)
- 棒ヤスリ(金属製の細いヤスリ 形状は丸や三角、平など)
- 真鍮ブラシ(コシが柔らかいの)
- 軍手、ビニール手袋(素手では触らない)
- ブルーイング液
- コットン (ブルーイングに使います)
- 水 (ブルーイング液を希釈します)
- 研磨剤(ブルーイングが終わった後磨きます)
あったほうがいい物
- あて木(紙やすり使用時に使います)
- スポンジヤスリ(1000番ぐらい)
- リューター
ブルーイングする際の準備作業
モデルガンにパーティングライン(成形の際に出るバリ)があったら
金属ヤスリなどで除去し、紙やすりで全体を研磨します。
そして表面を紙やすりで研磨して平らにしていきます。
特に最初に使う240番がとても重要です。
240、400、800と番手を上げ、さらにこだわる方は
1000、1500、2000番と上げていきます。
表面に光沢が出たらブルーイングへ作業を進めます。
M84のブルーイング風景
まずパーティングライン(成形時のバリ)を棒ヤスリで削ります。
カッターを使ってもいいですが棒ヤスリの方が簡単です。
力はそんなに入れずにきっちりバリを取っていきます。
(残すと紙やすりが大変です)
ここでは手袋をしていませんが全体を紙やすりで削る際は
軍手やビニール手袋を付けて研磨します。
素手で触ると手の脂が付きブルーイングのノリが悪くなります。
バリを除去したら今度は全体を紙やすりで研磨します。
番手は 240、400、800、1000(スポンジヤスリ)です。
スポンジヤスリは削り残しが無いかをチェックするために使っています。
真鍮ブラシも使います。
もし傷があった場合800番で再度削り、終了になります。
人によっては1000番、1500番、2000番まで使います。
これは好みの問題なので決まりはありません。
この画像は240番で磨いたところです。
棒ヤスリで磨いた荒い傷も無くなり、綺麗になっています。
表面のヘアラインを見ていただければ分かりますが
一方向に向けて研磨します。
往復させて研磨したり、縦、横と交互に研磨するわけではありません。
この画像は800番で磨いたところです。
240番と比べて分かる通りヘアラインが細く細かくなっています。
2000番までやるとこのヘアラインが無くなりツルツルになります。
金属パーツの研磨です。
モデルガンの多くは亜鉛を使っているのでブルーイングが出来ます。
パーティングラインがあるのでこれを処理していきます。
棒ヤスリ→紙やすり240、400番で終了です。
金属部分のブルーイングです。
良く染まりますが被膜はあまり強くはありません。
HW材にブルーイングです。
スライドの右側が染まっている部分です。
亜鉛と比べて染まりが薄いことが分かると思います。
一度だけ塗るのではなく3、4回塗ることで染まっていきます。
ブルーイング液の希釈度合いによって塗る回数は前後すると思います。
(今回は2倍希釈です)
4回ブルーイングし、研磨した所です。
黒く見えたり、赤茶色、薄いブルー、シルバーなど
仕上がりは色々あります。
研磨はピカール(クリーム)を使っています。
M84のバレルがABS樹脂なのでブルーイングが出来ません。
(箱開けてビックリしました・・)
なので塗装をすることにしました。
まずプライマーのミッチャクロンマルチをスプレーします。
その後ブルーイングするために亜鉛塗料を3回吹きました。
3回塗ったところです。
見た目はグレーで粒子は荒いです。
塗膜の着きはいいですが強度は弱いです。
真鍮ブラシと400、800番あたりで整えます。
グレー色から光沢のあるシルバーになりました。
塗膜が弱いので優しく研磨していきます。
ブルーイング終了後です。
感覚としてはハンマーなどの金属部品と同じ感じで一気に染まって
塗膜が弱い、薄い感じです。
染めるとムラが出るので研磨しますがピカールでやると一気に塗膜が剥がれます。
使うのはシルバーアクセサリーなどを拭くクロスが良いです。
完成後です。
シリコンスプレーを全体に吹いています。
スライドを動かすたびにアウターバレルがすれるので
下地の亜鉛が段々と見えてきます。
まとめ
今回のマルシン ベレッタM84はバレルがABS製だったので
ひと手間かかりましたが、大抵はフレームと同じ素材を使うので
バレル塗装はそんなに頻度が多い施工ではないと思います。
綺麗にブルーイングをしてもいいですし
使い古された感じのビンテージ風にしても味があります。
これと言った正解は無いので
あまり考え過ぎず
思いのままブルーイングを楽しんでください。
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