十四年式拳銃・・・
その名の通り日本の拳銃です。
なんだか古めかしい名前と見た目の古さから
今は使われていない銃だとは分かると思いますが
一体いつ頃使われてどのような活躍をしたのか・・・
ちょっと詳しく探ってみたいと思います!
予習として下記の記事を読んでおくと
少し分かりやすいかもしれません。
↓
エアガン歴20年以上。
モデルガンのブルーイングなどもしている
けんじが解説します!
十四年式の歴史
1920年代中期に開発され、大正十四年(1925年)に制式採用された
大日本帝国陸軍の拳銃である。
1900年代に開発された南部式大型自動拳銃に改良を加えた派生型であるため、
しばしば南部十四年式拳銃とも呼ばれるが、
あくまで制式名称は十四年式拳銃であり、
また南部麒次郎は設計の基となった基礎研究には関わっていたが、
設計には直接関わっていない。WIKI
正式名称は
十四年式拳銃です!
マルシンだと南部十四年式拳銃という
表記ですね。
さて、十四年式拳銃しか知らない方はこの銃の前に
「南部式大型自動拳銃」というのがあるんだ~と思ったでしょう。
さらに開発者の南部麒次郎は南部式大型自動拳銃は開発したけど
南部十四年式拳銃と間違われるぐらいなのに
ノータッチだったんだってちょっとビックリしたんじゃないでしょうか。
なんで「南部十四年式拳銃」という名前が広まったんでしょうかね。
(多分見た目が似てるから?)
↓南部式大型自動拳銃
大型には甲と乙がありますが正直区別が良く分かりません・・・
(理由は情報が錯綜している感じがするからです)
詳しくは下記の「ベビーナンブ」の記事をお読みください
1924年(大正13年)、南部麒次郎の助言の下
名古屋工廠で南部式大型自動拳銃の乙型を元に
問題だった製造コストと耐久性を解決するため簡略化し生産性を向上させ、
安全機構の見直しも行う等の改良を加えて開発された。
1925年(大正14年)になって従来の制式拳銃である二十六年式拳銃の後継として
陸軍に制式採用された。WIKI
アドバイスはしてくれた南部さん。
後世で自分の名前が付いているとは思わなかっただろうな・・・
↑
これは二十六年式拳銃です。
ハートフォードでモデルガン化されていますね。
さてどんな方が使っていたかと言う話ですが
さっくり言うと「下士官兵(官給品受領対象者)に主に支給された」と
あります。
「下士官兵」とは将校より下で兵より上の人となっています。
上が上級曹長から下は伍長まで。
ではもう少し細かく見ていきましょう。
まず伍長の下が「兵卒」と言われます。
その中身は上等兵、一等兵、二等兵となります。
こう見ると伍長はかなり上の階級だと分かります。
分かりやすく言うと班長みたいな感じ?
小規模なグループの長と言った感じなんですかね。
十四年式拳銃は1945年の第二次世界大戦まで主力拳銃として生産され
総生産数は約28万丁ほどでした。
十四年式の種類
実は十四年式拳銃はバリエーションがあるんですね~
第1回 昭和9年2月
懸紐止(ランヤードの事)の外径8mmを10mmに改める。
撃茎頭部室の幅5mmを7mmに改める。
第2回 昭和9年4月
撃茎発條止の削肉減量。
弾倉の寸法および形状の一部改正。
第3回 昭和11年9月
薬室寸法を改める。
弾倉底の製作を容易にするため、材質をアルミニウム合金第二種から
同五種甲でも製作できるように改める。
第4回 昭和13年3月
防寒手套使用の場合に操作を容易にするため、
用心鉄(トリガーガードの事)の指掛部を円形から卵型へ拡大する。
指掛部を円形から卵型へ改造する場合は実費として5円支払う(現在の90,000円程度)。
改正後に製造された物は後期型とも呼ばれるが、制式に区別されているわけではない。
第5回 昭和14年12月
弾倉板ばねの改正。
床把体などに代用品を仮制式する。WIKI
おっと文字ばかりでアレルギーが出た人!(私)
簡単にバリエーションを区分すると
前期、(中期)、後期、末期とあります。
実際は明確な区分は無くて、個人でカスタムしている人もいるので
好きな物を選べばよい
みたいな感じです 笑
参考にCAWさんのHPに載っている写真を置いておきます。
(参考画像CAW)
↑
前期型
トリガーガードの形状が丸型
マガジン落下防止のバネ無し
↑
後期型
トリガーガードが卵型
マガジン落下防止バネあり
↑
末期型
トリガーガードが卵型
マガジン落下防止バネあり
コッキングピースがチェッカリングになっている
グリップがスムース
ちなみに中期型という名前でCAWで出していたのは
前期型を元にトリガーガードを卵型にしている物でした。
実銃は色々な組み合わせで使っていそうなので
一概にトリガーガードやグリップの形状で
判断できない銃となっています。
(右側面にある製造刻印で分けてもいいかもしれませんね)
CAW 十四年式拳銃 後期型
↑
特徴的な卵型トリガーガード。
手袋したままでも扱いが出来るようにと言う配慮ですね。
↑
昭和17年作成の銃をモデルアップしてますね。
末期型は何年なんだろう?
ホルスター
ホルスターの商品紹介したいのですが・・・これ絶版です 笑
もちろん違うメーカーでも出ていますので参考程度に見ていただければと思います。
参照 WIKI
↑
これが本物の十四年式拳銃のホルスターです。
↑
今回ご紹介したホルスター
いい色していますね~
本革製で分厚いので高級感があります。
最初は表面がガッサガサだったのでミンクオイルを全体に塗り込みました。
そのおかげで色も落ち着いたし表面に柔軟性が出てきました。
そのまま放置しているとひび割れが出てきてしまうので
皮のメンテナンスは必須かもしれません。
↑
裏面
ベルトループがあります。
実銃のホルスターの裏面を確認したことが無いですが
実銃の取扱い説明書?には太ももに着ける紐もあるような感じでした。
(コルトSAAのホルスターみたいな感じ)
↑
裏ブタなどもケバケバしていたのでミンクオイルでなじませました。
今回ホルスターに入れているのは後期型ですが
前期型だともう少し奥まで入りそうです。
↑
弾丸などを入れるポケットです。
その隣が撃針など入れるところです。
分解・組立
詳しくは動画をご覧になると分かりますが
トリガーガードのトリガーピンがとても硬いです。
原因としてはローレットが切ってあり多分組み上げの際
圧入で入れているであろうから
ハンマーなどで叩いても全くピンが動かない。
対応としてはローレットの溝を少し浅くしました。
(徐々に削りましたが最終的には結構削らないとピンが入りませんでした)
削り過ぎに注意です。
ローレットの意味が無くなります。
あと動画でも触れていますが
トリガーガードが最初からガタつきます。
特に気になるのがスライドとトリガーガードの隙間です。
これを解消するにはトリガーガードとフレームを密着させることです。
今回はトリガーガードの溝を厚くしてガタツキを解消しています。
ブルーイング
時間がかかりましたが
深く染められたのではないかと思います。
ブルーイングの参考になれば幸いです。
今回のブルーイングの手順としては大体以下のような手順です。
- 紙やすり240番→400番→3Mスポンジヤスリ「ファイン」→800番→
3Mスポンジヤスリ「ウルトラファイン」→3Mスポンジヤスリ「マイクロファイン」
(各作業の合間にリューターで研磨) - バーチウッドアルミニウムブラック2倍希釈液でのブルーイング数回→セラミックコンパウンドで研磨→染めが浅かったら再度ブルーイング→セラミックコンパウンドで研磨
まとめ
いかがだったでしょうか!?
今見てもスタイリッシュな銃ですね~
日本の銃は何だか味があってどれも良いんですよね。
二十六年式拳銃もいいな~と思った今日この頃です 笑
では!
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